『HUNTER×HUNTER』3巻の話
『HUNTER×HUNTER』3巻では、トリックタワー内でレオリオがレルートとジャンケン勝負をして敗北するシーンがあります。
今回はこのシーンを実際のジャンケンについての統計データと一緒に見てみたいと思います。
1手目:最初に出す手
ジャンケンで最初に何の手を出すかは重要ですが、そのときのレルートのセリフがこちら。
レルートの「統計的に人が最初に出しやすい手はチョキ!!」という発言は本当なのでしょうか?
数学者・芳沢光雄氏が紹介している、のべ725人のゼミ生による11,567回分のジャンケンデータがあります。その内訳は以下のとおりです。
- グー:4,054回(35.0%)
- チョキ:3,664回(31.7%)
- パー:3,849回(33.3%)
このデータからは明らかに、グーを出す人が多く、チョキを出す人は少ないことがわかります。したがって、現実では「パー」を出すのが最も勝ちやすく、また負けにくい選択肢であると言えます。
よく出される手に対応するという発想自体は理にかなっていますが、『HUNTER×HUNTER』の世界は、現実世界とはやや異なるようです。
2手目:あいこの時に出す手
作中では、最初にお互いがグーを出してあいこになり、2回戦に突入します。ここで、レルートは「迷ったり自信がない者は心理的に安定を望んで前と同じ手を出すか自信回復しようと前の手より強い手を出そうとする」と言っています。つまり、レオリオが出すのは「グー」か「パー」と予想したわけです。
再び芳沢氏のデータを見てみましょう。10,833回の2回連続ジャンケンのデータは以下のとおりです。
- 同じ手を出した:2,465回(22.8%)
- 手を変えた:8,368回(77.2%)
参考までに、これはポケモンの「かみなり」の命中率(70%)より高い数値です(「かみなり」ははずすイメージが強く例としては不適切かもしれませんがw)。このことから「同じ手を出す」ことはかなり避けられる傾向であることがわかります。そのため、あいこの後にはそのあいこになった手より弱い手を出すのが統計的には有利になります。
このデータを当てはめると、レオリオがこの時に出す手は「チョキ」か「パー」の可能性が高かったはずです。
しかし、結果的にレオリオは2回連続で「グー」を出し、レルートに敗れてしまいました。
まとめ
それっぽいこと言ってるけど、現実のデータとは違うということが今回調べてわかりました。
勝率を上げるには、初手で「パー」を出し、それがあいこだった場合は「グー」を出すのが統計的に有利です。
今回のデータはあくまで一般的な統計による傾向ですが、『HUNTER×HUNTER』のように心理戦が絡む場面では、単純な確率だけでは語れない面白さがありますね。

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